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Phantasmagoria2222 blog

社会の事などについて書いています

ここ最近の日本語ラップの動向‐リアリズムと享楽と様式美

かねてからHIP-HOPを階級闘争として読み替えることに抵抗があった。
政治的であること自体は間違っているとは思わないし積極的にやるべきだと思うが、勝手に「HIP-HOPなら人種差別に反対するべきだ」という先入観を持った意見に反発があるのである。
本場アメリカでも「人種差別に反対する闘士」としてのラッパーは比率から言うとかなり少ない。
自分としては、敢えて政治的メッセージを発さなかったとしても、存在自体がメッセージになっているようなラッパーが理想である。

下に貼った動画のうち、BAD HOPとKOHHに関しては「日本の貧困」と結び付けて語られていることが多いように思っている。
しかし最近では「日本の貧困」と結び付けて語られる日本語ラップに対する反動のような存在が既に登場している(念のために言っておくと、どちらがより優れているという話をしたい訳ではない)。


BAD HOP Episode 3 Liberty / T-Pablow & Yellow Pato
www.premiumcyzo.com




KOHH - "貧乏なんて気にしない" Official Video






次にYENTOWNだが、ここには政治的メッセージというものは皆無で、ドラッグについての享楽的なラップがメインである。だが反体制的メッセージがないからといって、YENTOWNのラップを快く思う保守派(悪い意味での保守派)は居ないだろうと思う。ここでは頽廃的なこと、享楽的なことがメッセージになっていると思う。
ただ、新左翼がエロや頽廃的なアングラ藝術を占有していた70年代とは違い、近年では頽廃藝術は右派のものとなっているのが現状なので、これらの表現は注意深く見る必要があるだろう。


Ice Cold City - diZZy, kZm, Junkman (Prod. LISACHRIS & Chaki Zulu)






最後にKANDYTOWNというクルー。ここもまた政治的主張は皆無である。また、日本を含めた世界的なHIP-HOPの流れともかなり断絶がある。ある人がKANDYTOWNの音楽を評して、シティポップの継承者なのではないかという文章を書いていたが、彼らが敢えて政治性を避ける態度を見るとあながち間違っていないと思う。KYANDYTOWNにおいては、クールであること、オシャレであることが日本社会への批評となっていると思う。


IO. DONY JOINT. YOUNG JUJU. feat. KANDYTOWN「All bout me」 / BLACK FILE exclusive MV “NEIGHBORHOOD”



IO "City Never Sleep" (pro. by JASHWON for BCDMG) - Official Video -


あるHip-Hopのネットラジオ番組を聴いていたら、最近の若者はスマートであるという話が出ていた。東京に限った事なのかもしれないが、不良行為を行わない不良(?)が増えているというのだ。Hip-Hop的ファッションをしている若者の中でもヤンキーが減少し、「ただお洒落な人」と「犯罪者」の二極化が進んでいるようである。政府の統計でも少年犯罪は減少傾向にあるようで、この見立ては正しいのではないかと思っている。